〇食物繊維について

 

「すべての病気は腸から始まる!?食物繊維で今日からあなたも腸内美人」

 

“医学の父”とよばれているヒポクラテスは、「すべての病気は腸から始まる」という言葉を紀元前から残されています。科学が毎日進歩していくなかで、紀元前の言葉がいまなお注目されているってすごいことですよね!

今回は、そんな腸内環境について関わりの深い「食物繊維」について掘り下げて解説いたします。

 

 

1.一昔前は「無視」されていた?かわいそうな食物繊維

2.「炭水化物」「糖質」「糖類」「食物繊維」それぞれを説明できますか?

3.食物繊維をしっかり摂ってダイエット!・・・ってなんで?

4.今、大注目の「短鎖脂肪酸」とは

 

 

1.一昔前は「無視」されていた?かわいそうな食物繊維

3大栄養素という言葉をご存じでしょうか?炭水化物・脂質・タンパク質のことで、食べることで身体を動かしたり、呼吸をしたり、臓器を動かしたりと、身体にとって大切なエネルギーを得ることができます。

今では注目されている食物繊維ですが、身体の中に吸収されず便として出ていくので、大切な栄養素としてはみられていませんでした。

今では美と健康を意識するかたにとっては「食物繊維」をとることは当たり前ですよね。私達の予防医学の仲間では、3大栄養素ではなく6大栄養素として、食物繊維も大切な栄養素のひとつとして位置付けています。

 

 

では、食物繊維についてみてみましょう。

 

2.「炭水化物」「糖質」「糖類」「食物繊維」それぞれを説明できますか?

こんなのもうわかるよー!という方は次に進んでいただいて構いませんが、食物繊維ってなあに?という質問に答えるためには、こちらの4つをおさえることが大切です。

ちょっとよくわからない!という方は、「糖質オフ」と「糖類オフ」買い物するならどっち?という質問に答えれるかどうかで考えてみてください♪

 

 

ではでは、もったいつけずにそれぞれのことについてお伝えします。

 

「炭水化物」は、3大栄養素のひとつ。私達にとって非常に大切なエネルギー源となります。エネルギーの源となるのが、「糖質」です。「糖質」は1gで4kcalのエネルギーを得ることができます。パンや白米などの炭水化物をパクパク食べると、口の中や小腸でどんどん細かく分解されていきます。そうして、グルコースなどの小さい単位になると身体の中に入っていきますが、その小さい単位の事を「糖類」といい、分解される前のくっついた糖分や、人工的につくった糖分のことを「糖質」といいます。

 

「糖質」のなかに「糖類」があるので、買い物の際に「糖質オフ」や「糖類オフ」があったときにはどちらを買えばいいかはわかりますよね?「糖質」オフの商品を買う事によって、糖類もオフにすることができます。

炭水化物から「糖質」をオフして残るもの、それが「食物繊維」です。

 

 

炭水化物と食物繊維はわけて考えることが多いですが、実は大枠としては同じ仲間なんです。

(こちらのHPの低GIのコラムでも、便宜上炭水化物として同じ文言をつかっています)

買い物をするときに成分表示を目にすることもあるとおもいますが、そのときにこの考えは役に立つので、ぜひぜひ覚えておいてください。

 

3.食物繊維をしっかり摂ってダイエット!…ってなんで?

厚生労働省の2015年食事摂取基準によると、成人男性で1日20g以上、女性の方で1日18g以上を摂る事が定められています。食物繊維といえば「ごぼう」というイメージもあると思いますが、1本で約10gなので、およそ2本分です。なかなか毎日ごぼうだけを食べるのは難しいので、食品の品目数を増やしてバランスよく摂っていくことをオススメします。neigeの天然酵母パンでは、3.6gの食物繊維を摂る事ができるので、毎日の量をしっかりと補う事ができます。

では食物繊維を摂るとなぜダイエットに近づくのでしょうか?

次のパートでもお話をする「短鎖脂肪酸」にも関わってきますが、大切なポイントのひとつに「血糖値の上昇」があります。

(血糖値についての詳細は低GIのパート|こちらもご覧ください。)

私は食物繊維は食事でもとりますが、健康食品でも補っています。食事の直前や食事中に摂ることによって、糖分や脂肪分が身体に入ってくるスピードをおさえることができます。「野菜から先に食べましょう」といわれるものの所以ですね。

ゆっくりと身体にはいっていく、あるいは最後まで分解しきらずにそのまま大腸へと送られるため、血糖値の上昇がゆるやかになります。血糖値がゆるやかになるので、脂肪に回ってしまうことをおさえ、効率よくエネルギーをつくることができるので、ダイエットにつながるのです。

 

4.今、大注目の「短鎖脂肪酸」とは

最後に、食物繊維が注目されている大きな要因である「短鎖脂肪酸」について解説します。

「短鎖脂肪酸」は、大腸で食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵する事によってつくられます。大部分は水やミネラルを身体にいれるためのエネルギー源としてつかわれ、また一部は全身に運ばれてエネルギー源になります。3大栄養素がおおきくいわれ、食物繊維はエネルギーにならないと考えられていた時代とは大きな違いですよね。

さらに、短鎖脂肪酸にはお腹の中の有害な菌の増殖をおさえたり、大腸の粘膜を刺激したり、免疫反応を制御したりと、様々な機能があると知られています。

 「すべての病気は腸から始まる」という言葉のとおり、食物繊維をとることは美と健康に非常に大切です。

 

©2019 Shunsuke Mizorogi

 

コラム/監修 薬剤師 溝呂木氏

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